梵字は、古代インドで発祥した「ブラーフミ文字」と呼ばれる文字が、時代の流れとともに仏教と結びつき、平安時代に日本へ伝わったものです。
梵字はその一文字で神仏を表していて、お守りとして身につけることで、悪しき人間は良き方向へ、良き人間はより良き方向へ導き、災難から救ってくれるという、神聖な力を持っていると言われています。
子(ね)
「キリーク」と読みます。
守護尊は千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)。
観音菩薩の変化身のひとつであり、また六観音の一尊で餓鬼道から救い導くとされています。
丑・寅(うし・とら)
「タラーク」と読みます。
守護尊は虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)。
記憶と智恵や知識をつかさどる仏とされ、芸術や技術など、知識・学問以外の才能も包括するとされています。
卯(う)
「マン」と読みます。
守護尊は文殊菩薩(もんじゅぼさつ)。
普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍として欠くことのできない釈迦三尊像の一つの菩薩となっています。
辰・巳(たつ・み)
「タツ」と読みます。
守護尊は普賢菩薩(ふげんぼさつ)。
世界にあまねく現れ仏の究極の慈悲の力と何物にも打ち勝つ強い菩提心(悟りを求める心)で、理知を顕して人々を救う賢者を意味します。
午(うま)
「サク」と読みます。
守護尊は勢至菩薩(せいしぼさつ)。
名前の通り、無上の力を持ち、足をひと踏みするだけで、三千世界はもとより、大魔王の宮殿さえも激しく揺るがすといわれています。
未・申(ひつじ・さる)
「バン」と読みます。
守護尊は大日如来(だいにちにょらい)。
宇宙の森羅万象がすべてこの如来の徳を顕わしたものであり、色も形も超越した絶対的な仏、諸仏の根本の仏として位置づけらています。
酉(とり)
「カーン」と読みます。
守護尊は不動明王(ふどうみょうおう)。
密教の根本尊である大日如来の化身とあるいはその内証(内心の決意)を表現したものであるとされています。
戌・亥(いぬ・い)
「キリーク」と読みます。
守護尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。
この如来の放つ現世を照らすあまねく無量の光明によって、さまざまな苦しみが除去され、大慈悲心によってすべてが癒され現世と来世をより良いものに導くと言われています。