タトゥーの歴史として最も古いのは、1万年以上前の旧石器時代の遺跡で発見されたものです。
エジプト人形の土器にタトゥーらしきものが彫られていたことから、すでにこの頃からタトゥーの風習があったと言われています。
そして、人の体にタトゥーが彫られていたもので一番古いのは、約5300年前のミイラとして発見された「アイスマン」です。
こちらは1991年9月に、イタリアとオーストリアの国境沿いにあるアルプスの山中で発見されたことから、アイスマンと呼ばれるようになりました。
5300年前は新石器時代の真っ只中で、土器の登場、農業・牧畜が始まり、生産経済に入ったばかりの頃です。
これほど古い時代の人が20世紀に突如発見され、全身に無数のタトゥーがあったことから、現代のタトゥーファンを賑わせるニュースになりました。
日本の記録としてタトゥーの文化が残されているのは、16世紀(今から約500年前)です。
この時代では、女性が既婚であることを表す印として、手にタトゥーを入れる文化がありました。
その後、社会が安定してきた江戸時代に入ると、「永遠の愛を誓う男女が互いの名前を体に彫る」という文化が広がるようになりました。
しかし、1872年の明治時代に、政府がタトゥーを規制したことから、日本のタトゥー文化が徐々に途絶えていきました。
1970年代にファッションデザイナーが衣装にタトゥーを衣装に取り入れたことから、ファッションの文化としてタトゥーブームが再来しました。
さらに、80年代ではミュージシャンやスポーツ選手など、有名人がタトゥーを入れるようになり、若者の間でタトゥーの人気が広がったのです。
日本と海外を比較すると、海外では人口の約1/4がタトゥーを入れているので、まだまだ一般的とは言い難いですが、偏見や差別的な意見は少なくなったと言えます。
日本では2020年に開催される東京オリンピックに向けて、観光庁が入場規制を緩和するよう促しています。
外国人と日本人ではタトゥーに対する考えや文化に違いがあるため、外国人旅行客の増加に伴い、「見直す必要がある」と言われています。
外国人旅行客に対する内容ではありますが、自由の規制が見直されることは良い傾向だと思います。
実際に、一部の入浴施設では「シール等で隠せる場合は入場OK」としているところがありますので、今後はタトゥーへの偏見が更に少なくなるでしょう。